飛距離コンプレックス
20代でゴルフを始めた時はまだパーシモンの時代だった。やっとテーラーメイドからメタルウッドが発売され、新しい流れがやってきた。ゴルフは上がってなんぼと良く言われる。これは最後はスコアだよという意味だが、やはりそこは男の子。飛距離に対して競争心が働いてしまう。あいつより飛んだ。今日のドラコンは俺が獲る。友人とのゴルフは今も続いているが、今でもこの勝負は終わっていない。
私は体重も軽く、持ち玉がスライスだったので、あまり飛距離は出ない方だった。ドラコンなどは獲得できた事もなく、300yかっ飛ばす友人ゴルファーに憧れていた。
ドローボールの弊害
そんな私に予想もしない転機が訪れる。友人の誘いでサーフィンを始めたのだ。元々スノーボードをずっとやっていたのですぐに上達した。楽しくて毎週サーフィンを続けていると、背筋と大胸筋がいつの間にか鍛えられた。自分でも信じられないが胸囲100cmを超えた。
するとドライバーが以前より飛ぶようになっていた。腕力が上がり、ドローボールでドラコンも何度か獲得できてしまった。やはり飛ぶのは気持ちが良いと新しい自分に満足していた。
しかし、これが泥沼の始まりだった。調子良い時はドローボールで飛ばせるのだが、調子が悪いとチーピンの連続となった。チーピン、つまり低めの引掛けで左の林まっしぐらである。良くて林の中、悪くてOBというゴルフがしばらく続いた。スコア的には前より悪くなってしまった。
フェードボールに専念する
最近の考え方でゴルフをリセットする事にした。ドローボールを一切捨てて、本来の自分の持ち玉であるフェードに専念する。
「真っ直ぐ打つことが一番難しい」と陳清波先生も言っている。どちらかに曲げた方が簡単だよとゴルフ雑誌で教えてくれた。ならば自分は本来のフェード系が自然であると考えた。
さっそく練習場で試してみる。自分の中で一番好きなクラブはサンドウェッジである。オープンスタンスでややカットに打つのはしばらく練習していなくても、なぜか距離が合う。バンカーショットも特訓した覚えもないが昔から得意だった。
ドライバーをオープンスタンスにセット、フェイスもオープンにして、そのままスイングする。すると気持ちよく振り切れた。
あれ?いつもよりスイングがスムーズだぞ
左足が開いているため、目標方向にクラブが通りやすいのだ。悪い癖としてオーバースイングもあったのだが、オープンにする事でこれも防げているようだ。
しかも最近のゴルフクラブなら、フェードでも十分な飛距離が出ているじゃないの。ユーティリティーも同じく、アイアンも良い感じだ。曲がり幅の大小はあるが、出球が同じ方向で安定している。チーピンなどの突発的な大ミスがなくなり、何よりも自分らしく気持ちよくスイングできている。
今日のまとめ
コンプレックスが原因で特定の自分に固まっていた。本質を見直すことでまた新しい自分になれた。次はコースで試してみたい。